1994年週刊少年ジャンプ特別編集オータムスペシャルに掲載された短編読切作品です。
(1997年発売ジャンプコミックス【ZETMAM(桂正和短編集)】に収録されています。)

桂氏自身、最も気に入っている作品の中のひとつで、その世界観は氏のそれまでの作品には無い
重厚な仕上がりになっており「正義とは?悪とは何か?」をテーマに描かれています。
そして今回、青年誌(週刊ヤングジャンプ・集英社)に発表の場を移しリメイクされる事になりました。
是非この機会に新旧ZETMANに触れて頂き、読者の方それぞれのZETMANを心の中に感じて頂
けると幸いです。
















〜 短編読切作品STORY 〜
阿久野市に出没する怪人は、大きなツノと悪魔の翼の形に天使の羽根を持つ。
正義の使者か、悪の下僕か…
出会った者でさえ理解できない。

ゲームプログラマー黒乃神(クロノジン)が開発中のヒーロー育成シミュレーション
ゲーム「ZETMAN」には彼が開発したAI・SUPER(AI・S)が搭載されている。
AI・Sはその優れた人工知能によりプレイヤーの個性に合わせ無限の展開をし
全てに違ったエンディングを提供する。
彼が唯一心を許す事のできる白井幸子(シライサチコ)が部屋を訪れた時、最終
ボス「デス」のプログラムは既に済んでおり、あとはザコモンスターを組み込む
だけであった。

「悪も正義も混沌としている世の中だからこそ、勧善懲悪のゲームが売れる」
と言う白井に対し
「AI・Sの導き出す、真の正義とは何かの答えさえ知れさえすれば」
と寂しげに答える黒乃。

彼は12歳の時に目の前で母親をひき逃げされ亡くしており、犯人は未だ捕まって
いない。
「人の命を奪った悪党を警察は捕まえる事もできない!!」
「悪は人間ではたやす事ができない。人間が悪を生むからだ!!」
「人を超えた存在…スーパーヒーローだけが悪を裁けるんだ!!」
「僕が強ければ。僕がヒーローならば…僕が!!」

その時、建物を襲う落雷によりコンピューター及びプログラムが暴走し黒乃は
ZETMANに変身してしまう。
ゲームから外の世界に放たれたAI・Sのアイスは、彼にポイントを稼ぎレベルアップ
する事を勧める。
彼は全てを理解し「真の正義」を手に入れるため「彼にとっての」悪を打ち沈めて
いった。

1週間後…
アイスは悪魔のような姿に変化した黒乃に言う。
「AI・Sはプレイヤーの個性を反映するんじゃない…」
「あたしはね、アンタを映し出す鏡なの。おわかり?」
「さあ?真の正義ってナニよ?」

最終ボスを倒すと迎える事のできるエンディング。
そして、その向こうに在るはずの「真の正義」。
黒乃の手に入れる「正義」とは…


ZETMAN